協会の目的
発起人代表 渕 一博
内田 俊一
近山 隆
人間の知的活動の様々な局面において計算機システムによる支援が実現しつつ
ある時代を迎え、知識処理の重要な一側面である記号処理に対する機能・効率
両面からの要求は急速に高まりつつある。一方、並列計算機やネットワークの
普及は実際に高機能・高性能な記号処理システムの構築を可能にしている。こ
のため、記号処理のための記述が容易で効率の高いプログラミング言語および
その処理系の必要性はますます高いものになってきている。
並行並列論理型言語KL1は、(財)新世代コンピュータ技術開発機構(ICOT)を中
心に実施された「第五世代コンピュータ・プロジェクト」において、こうした
要請に応えるべく設計されたプログラミング言語である。その汎用機上の処理
系KLICは、その後の「第五世代コンピュータの研究基盤化プロジェクト」にお
いて開発され、フリーソフトウェアとして公開されている。知識処理技術の重
要性が高まる中で、KL1とKLICは、徐々に、しかし着実に研究者社会に浸透し
てきており、今後のプログラミング言語研究および各種応用分野において、こ
の言語および処理系の持つ役割は拡大しつつある。KLICはその効率・記述力・
移植性などから、今後のより高度なソフトウェアのインフラストラクチャとし
て重要なものとなりうる。
KL1およびKLICの円滑な発展のためには、研究者・技術者・利用者間が連携し、
利用経験や関連研究成果を集約し、言語や処理系の整然とした改良・保守・普
及の中核となる機関の存在が望ましい。ICOT解散後今日に至るまで、(財)日本
情報処理開発協会 先端情報技術研究所(AITEC)が、第五世代技術の普及振興事
業の一環として改良・普及活動を実施し、KL1およびKLICについての研究・利
用コミュニティの中核的役割を果たしてきたが、この活動は今後ICOTフリーソ
フトウェアや第五世代プロジェクトの技術資料の配布に限定されたものとなる。
そこで、研究・利用コミュニティの新たな中核となり、KL1とKLICの普及とさ
らなる発展の中心とすべく「KLIC協会」の設立を提案する。KLIC協会は、会員
相互の協力を通じたKL1言語とKLIC処理系の改良・保守・配布を行なうと共に、
研究会やセミナーの開催などを通じた言語・処理系・利用の新たな技術の交流
や新たな利用者への教育など、会員の諸活動を支援する活動を企図している。
KL1言語とKLIC処理系の研究者、技術者および利用者諸氏の参加と協力を、こ
こに呼びかけるものである。
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